『二天記』A

武蔵が遅参戦法をとり、焦れた小次郎が鞘を捨てると、
「小次郎敗れたり。勝者何ぞその鞘を捨てん。」の台詞。
怒りに我を忘れた小次郎を、武蔵が櫂の木刀で下す
というお馴染みの場面が描写されている。
また「小次郎は猩猩緋の袖無し羽織に、染革の裁付袴を着け、
草鞋を履き、三尺余りの刀を帯びていた。
これは備前長光(おさみつ)だということである。」と
他の書物には見られない小次郎の服装に関する描写がある。

後世、小次郎が華美な服装を好む人物として描かれるのは
これと無関係ではなかろう。
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                         (update:'09.4.23)
参考資料『佐々木小次郎』川口素生/アーツアンドクラフツ