■反・三国志 【周 大荒 著/講談社/講談社文庫】 (評価★0〜5)
 元祖if三国志。こちらは翻訳版。 馬超と趙雲が好きな私のような馬趙スキー人間には お薦め度★5つあげてもいいかもしれません(笑)
 何故かというと、他の(演義)五虎将を差し置いて 馬趙と趙雲が大活躍(悪く言えばコキ使われている?)ですし、 趙雲が馬超の妹・馬雲(ば うんりょく/『反三国志』の創作人物)を 娶って二人は義兄弟となるのですが、趙雲は妻を差し置いて「兄上」「兄上」で、 馬超は馬超で妻を差し置いて(今でいう単身赴任だからね) 「私がここに来たのは子龍を助けるため。もし軍師どのが止めても私は行きますぞ。」 とかのたまっているので、そういう馬趙的な部分だけを見ればそういう淑女(?)は 充分に楽しめます。
 しかし、それ以外の、いくら蜀ファンでも読みづらい部分があるのは事実。
 というのも、他サイト様でも同様の意見がありましたが、 話が進むと軍事行動にのみ記述が終始して報告書を読まされているような感じがします。
 ただ周瑜の描かれ方は演義より遥かにマシです。死因を除けば(笑)
 否定的な意見が多く見受けられるようですが、作者の前書きから受け取れる 「勝者のつくった歴史は信用できない」的なメッセージには好感が持てます。
 因みに、当時のインテリは小説を発表するときに拾ったものを発表するといった 体裁をとっていたようで、『反三国志』もその一つと考えられます。
 インテリが絵空事を発表するのはプライドが許さないということらしい。
(お薦め度★★★☆☆、馬趙度★★★☆☆、雲男でもOK度★★★★★)
(2011.2.8更新)