■馬超 【風野 真知雄 著/PHP研究所/PHP文庫】 (評価★0〜5)
 正史ベースの馬超小説。父・馬騰が、少し外面がよく父親として尊敬できない 部分を持っている設定を除けば、概ね人物描写がよかったです。
 個人的には曹操と韓遂(馬騰の義兄弟。別に潼関では裏切ってません/笑)、 特に楊葉(史実の楊夫人)の描写が好きですね。
 馬超と同じく祖母の代で羌族の血が入っているものの、彼と違って顎や鼻が 少し西洋人チックだったり、一つ年上で、家事が嫌いでガラス玉作りが得意 だったり、変わった人間が好きだったりとオリジナル(捏造?)設定過多ですが、 史書には何も記述がないぶんアリだと思います。しかも初恋の人!!!
 そんな楊葉に、「お前のためなら、命だっていらない」とかのたまったり、 「こんなきれいなガラス玉をつくれるなら、ほかの何もできなくてもいい」 (↑将来の夫としてそれでいいの?)とか思う十代半ばの馬超も最高です(笑)
 あと、作中の馬超が楊葉一筋という所も◎。一応、妾の名前も出ますが、 史書に記述があるから、その場面だけ名前を出しただけのように見受けられます。 作中の4人の子供は全員楊葉との子っぽいので。
 しかし冀城での、元の主君・韋康の仇討ち計画を実行に移したときの王異 (別に馬超に一族を殺されていません/笑)の行動には唖然としました;;
 楊葉と一緒に作ったガラス玉の使い方……そこで実演すんな!!!
 真・三國無双6猛将伝をやった人は読むべし(笑)
(お薦め度★★★★☆、ラヴラヴ度★★★★☆、王異アレすぎる度★★★★★)
(2011.11.25更新)